GW 一日目






 今年のゴールデンウィークは少し長めだ。だから、連休中はたくさんくんとの予定で詰まっている。
 五月三日、ゴールデンウィーク初日。今日はくんと水族館デートだ。
「イルカショーすごかったね!」
 ショーが行われたスタジアムを出ながら、先ほどのイルカショーの話で盛り上がる。
「イルカってすごいんだな。輪くぐりとかできるんだ」
「すごいよね、ジャンプも高いし……前のお客さんたちびしょ濡れだったね」
「今度俺たちも前に座る?」
「ちょ、ちょっと緊張するかも……」
 ショー用のレインコートがあるとはいえ、あのびしょ濡れはなかなか覚悟がいる。でも一度くらいはいいかも……?
「あっ」
 イルカショーの スタジアムから水族館に戻ると、真っ先に目に入ったのは一つの水槽だ。
「見て見てくん! ペンギンがたくさん!」
 水槽の中に見えるのは何羽ものペンギンたちだ。ペンギン特有のよちよち歩きがかわいらしい。
「かわいいー……」
「オウサマペンギンかな。大きい」
「ね! 隣はイワトビペンギンだって。こっちはちょっと小さい」
 イワトビペンギン水槽に近づいてみると、一羽のペンギンがすいーっと泳いでこちらに寄ってくる。ガラス越しにパシャパシャと必死にこちらへ向かって泳ごうとしている。
「なつっこい子だなあ」
「餌もらえると思ってるのかも」
「ごめんね、餌はないよ」
 通じているのかいないのか、ペンギンは変 わらずこちらへ向かって泳いでくる。スマホのカメラを構えて、その姿をパシャリ。うん、映り込みも少なく綺麗に撮れた。
「あ……」
 こちらへ泳いでいたペンギンは、突然岩場にあがると、別のペンギンの元へ。さっきまでこちらへ必死に向かっていたのが嘘のように、そのペンギンの隣に佇んでいる。
「お友達かな」
「恋人かも」
 くんの言葉に、わたしはくんの腕を抱きしめた。
「側にいたいもんね」
 恋人の、大好きな人の側にはずっといたい。くんの側にわたしも痛い。
「わかる」
 くんは組んでいない方の手でわたしの頬を撫でる。きっとくんも、同じ気持ち。