GW 二日目
GW二日目。今日はわたしもくんもお昼から夜までアルバイトが入っていたから、今日は夕飯は冷凍食品で簡単に済ませた。夕飯の片づけをしてお風呂も入れば、お待ちかねのおたのしみタイムだ。
「、そこコース外れる」
「わーっ!?」
くんとリビングのテレビでゲーム大会だ。今日はカーレースゲームをセレクト。うっかり操作ミスをしてわたしの車は川にドボン。NPCを入れても後ろから近い位置でのゴールとなった。
「あー……悔しいっ」
滑った親指が憎らしい。あそこで落下しなければそれなりの位置でゴールできたのに。
唇を尖らせていると、くんがコントローラーを操作してコースの選択画面へ戻した。これで今日は一通りのコースを走り終えた。
「そろそろ勝負の時間だな」
隣にいるくんの目が光る。そう、今日はくんとこのゲームで勝負をする約束なのだ。
くんは冷蔵庫からひとつのプリンを持ってくる。いつものコンビニプリンとは違う、少しお高めのいいプリン。このときのために連休前から買っておいたのだ。
「コースはランダム?」
「もちろん!」
公平を期すためにコースはランダムで選んでもらう。う、緊張してきた。
たったひとつのプリンをローテーブルに置いて、わたしたちはコントローラーを構えた。レース開始まであと3、2、1……。
「よし」
隣でくんが小さく声を上げる。確かにくんはスタートダッシュに成功したようだ。しかしそれはわたしも同じ。今回はなかなかいい勝負ができそうだ。
このゲームは一コース三周でゴールだ。二周目まではほぼ互角。勝負は最後の一周だ。
「急カーブだ」
「うう……っ」
急カーブの連続の難所にさしかかった。くんの操作する車とわたしの車は隣り合って競っている。難所を越えればあとはゴールまで一直線だ。
「あと、ちょっと……っ」
「……!」
「やった!」
最後の最後、ぎりぎりのところでくんを抜かしてわたしが一位でゴールだ。ゴールをした次の瞬間にコントローラーを放って両手を上げた。
「負けた……」
「ふふ、くんに勝ったの久しぶり!」
くんは手先が器用だからこういうゲームもうまくて、わたしは負けることの方が多いのだ。
「じゃあプリンだっ!」
勝った方がプリンを得る約束だ。テーブルに置いたプリンを手に取って、「いただきます!」と声に出す。……けれど。
「……くん、半分食べる?」
隣のくんにそう言うと、くんは目を丸くした。
「が勝ったんだからのだよ」
「でも、おいしいものはやっぱりくんと食べたいなって」
おいしいものを丸まる一個独り占めもいいけれど、やっぱり大好きなくんと一緒に食べたい。
くんはわたしの頭をくしゃりと撫でると、「ありがと」と言う。
「前にくんも半分こにしてくれたよ」
「そうだっけ」
「そうだよ」
スプーンを取ってきたくんにそう告げると、くんはとぼけたように首を傾げる。
好きなものは好きな人と食べるのが一番おいしいもんね。