GW 四日目
GW四日目。……とはいえ、あくまで大学生。わたしの大学は開校記念日の移動で休みになったけれど、くんのほうは通常通り講義がある。くんは夕方まで講義、夜はお花屋さんのアルバイトの予定だ。わたしもひとりで家にいても仕方ないので、ファミリーレストランのアルバイトを一日中入れた。
アルバイトを終えた午後九時。わたしはくんととある駅で待ち合わせをしている。改札を抜けてあたりを見渡せば、すぐにくんは見つかった。
「くん!」
「」
「ニャア!」
くんのもとに駆け寄ると、鞄の中からモルガナちゃんも顔を出した。今日は三人でデートだ。
「こっちだっけ?」
「そう」
くんはスマホの地図アプリを 見ながら北口へ。歩いて二分で、お目当ての広場に着いた。
「わあっ」
視界一面に広がるのは鮮やかなイルミネーション。そう、昨日観覧車で見つけたイルミネーション広場にやってきたのだ。
「綺麗だな」
「ね!」
昨日観覧車から見えた夜景も綺麗だったけれど、このイルミネーションも素敵だ。遠目に見たときよりずっと細やかで凝っている。
「モルガナちゃん、見える?」
「ニャ」
モルガナちゃんはくんの肩に前足をかけてイルミネーションを眺めている。
「ね、くん写真撮ろう!」
スマホのカメラを起動して、自撮りの形でイルミネーションをバックにくんとわたしとモルガナちゃんを画面に入れる。バランスを調整して 、シャッターを切ろうとした、そのとき。
「!!」
くんが突然わたしにキスをしてくる。こんな町中で!
「くん!」
「ごめん、つい。が可愛くて」
「かわい……」
その言葉に、熱かったわたしの頬がさらに熱くなる。か、かわいい……。
「で、でもこんなに人がいるのに」
「誰も見てないよ。都会なんてそんなもの」
た、確かにそうだけど、と言おうとしたら、くんの肩に乗ったモルガナちゃんが訝しげな声で「ニャーウ……」と鳴いた。
「モルガナは見てたか」
「ニャウッ」
「別にいいだろ」
なにやらくんとモルガナちゃんはやあやあと言い合っている。わたしはモルガナちゃんの言葉はわからないけれど、今回はなんとなくわかる。
「くん……」
「ん?」
「写真、撮ろう?」
先ほどは結局シャッターを切れなかった。いや、タイミング的に切れていても困るのだけれど。ちゃんとイルミネーションをバックに写真を撮りたい。
「ああ、そうだった」
「じゃあ撮るね」
「うん」
「……キスしちゃダメだよ?」
「わかってる。家でするから」
「!! くん!!」
くんの言葉に、また頬が熱くなる。くん、すぐそういうこと言うんだから!