お風呂上がりの
「はあ、いい気持ちだった」
お風呂から上がったが、軽やかな足取りでお風呂場からリビングへ入ってくる。上機嫌なが可愛くて、俺はスマホを置いて、をこちらへ来るよう手招きした。
「、こっち来て。髪乾かすよ」
「本当? ありがとう」
はうれしそうにソファに座っている俺の前へ。床のクッションに座ったは、そわそわと肩を揺らしている。
「こら、動かないで」
「はあい」
の肩をぽんぽんと叩いて、俺はドライヤーを手に取った。先ほどまで自分の髪を乾かしていたそれのスイッチを入れて、の髪を乾かし始める。
の髪を一束取って、上からドライヤーを当てていく。濡れた髪は艶を持っていて綺麗だ。自分の髪を乾かすのは面倒なのに、の髪を乾かすことはこんなにも愛おしい。
「かゆいところはございませんか」
「ふふ、大丈夫です」
無防備なの後ろ姿に、悪戯心が湧いてくる。露わになったの首筋を、人差し指でそっと触れた。
「ひゃっ!?」
は高い声を上げて背筋をピンと伸ばした。振り返ったの顔は頬をぷくっと膨らませている。
「くん!」
「はは、つい」
は「もう」と不満を口にしながらも、再び俺に背を向け髪を乾かす姿勢を取る。怒った相手に髪を乾かしてもらおうとするとは、らしいと言えばらしい。
ほぼ乾いていたの髪を、最後の仕上げとして冷風で乾かす。手に取った一束からそっと手を離せば、サラサラと落ちていく。
「できたよ」
「わあ、ありがとう!」
先ほどまでの膨れ面はどこへやら。はご機嫌な様子で笑顔を見せる。
の笑顔はとびきり可愛い。きらきらして、優しい感情に溢れている。
「」
名前を呼べば、は自然に俺の膝の上に乗る。「くん」と俺を呼ぶ声は、甘い。
「明日はわたしがくんの髪乾かすね」
「それは楽しみだ」
が俺の髪を撫でるから。俺はお返しとばかりにを抱き寄せキスをした。
「くん」
俺の名前を呼ぶの可愛い声が響く。
もうしばらく、このままで。